岡野萌(梨花女子大学 交換留学) 

業務期間: 2023年9月9日 – 12月9日

 

1. はじめに

私は20239月9日から、2023129日までの3か月間、週に3回、ACOPIAの日本人インターン生として勤務した。このインターンに参加することになった理由は、新たな挑戦をしてみたかったためだ。私は2月から交換留学生として韓国で大学生活を送っていたが、前期は慣れない外国生活に適応するのに精一杯だった。しかし、後期を迎えるにあたり精神的な余裕が生まれ、これまでやってこなかったことを新たに始められるが出来る機会を探し始めた。そんな状況でACOPIAのインターンを見つけた。ACOPIAインターンの業務では、元々K-POPが大好きな私の知識を生かすことができ、韓国語を使う機会も多少あるという点に興味が湧き、なおかつ、私がこれまでやったことがなかった動画編集やブログ投稿に挑戦する機会があるとのことだったため、思い切って応募してみることにした。本報告書では、私が3か月の間に取り組んだ業務について記述し、それらを通して私が学んだことを報告する。

2.業務内容

A. amebaブログ投稿

 

amebaブログでは、主にK-POP情報に関する内容で投稿した。実際に投稿したブログのテーマは以下の通りだ。

 

K-POPアイドルが歌う最新の韓国ドラマOST(9月編、11月編)」、「韓国のサラダ屋さん“Salady”」、「韓国の大学学園祭に出演したK-POP歌手」、「K-POPアイドル出演最新ミュージカル」、「K-POPアイドルファン必見!アイドル出演バラエティ」、「K-POPアイドルファン必見!シリーズ化バラエティ編」、「K-POPアイドルファン必見!放送が終了した伝説のバラエティ編」、「K-POPアイドルのペンライト」、「2013年のK-POPにタイムスリップ」、「韓国のコンサート会場総まとめ」、「K-POPアイドルの自主コンテンツ」、「韓国の芸能事務所が主催するファミリーコンサート」、「K-POPの様々な記録」、「〇月に誕生日・デビュー日を迎えるアイドルまとめ(10月編、12月編)

 

まず、ブログテーマの設定段階では、第一に、K-POPアイドルに関心がある読者の目を引くために、アイドルについての知識や韓国ドラマのOST、韓国での留学生活とアイドルを関連付けた内容など、多様な視点からアイドルについて捉えたテーマを選定することを心がけた。他のK-POP関連ブログとテーマが被らないようにしっかりと事前リサーチを行い、似たテーマになってしまうときは切り口や内容の詳細さにこだわった。第二に、シーズンに合ったテーマやタイムリーな話題を織り込むことを心がけた。具体的には、秋の大学学園祭シーズンには学園祭関連の内容を取り上げ、1026日の「タイムスリップの日」には、10年前のK-POPの状況を紹介することにした。第三に、所属事務所や年代が偏っていない様々なK-POPアイドルを取り上げることも意識し、私自身の主観ではなく客観的な内容になるように意識した。これにより、様々なグループの名前やメンバー名でネットサーフィンをする読者の検索に引っかかりやすくなったと推測している。

次に、実際にブログを執筆する段階では、第一に、他のK-POP関連ブログにはない独自性を出すために、より細かく深い情報を掲載することを意識した。それらの情報を収集するために、韓国語で配信されたニュースや掲示板などを参考にしたため、これまでに培った韓国語能力も活用することが出来たと感じている。第二に、写真や文字の体裁を、何ケ所程度目立たせれば適切なのか試行錯誤した。実際のアイドルの写真は、掲載されていればブログが華やかに見えるため多く使用し、歌を紹介する際にはYouTubeの動画も積極的に挿入した。写真は出来るだけ最新で画質が良いものを探し、別の日のブログで同じ歌手の写真を使用する時には、必ず異なる写真を使用し、「別の日のブログで見た感じ」がするリサイクル感を感じさせないように工夫した。文字の装飾は、文字背景カラー、文字の大きさ、太さ、文字カラーなどを変更することが出来たが、タイトル、小タイトル、重要部分、要約などで体裁を変え、最終的には定番のパターンを確立した。

 

私がブログ投稿を通して身に付けたことは大きく2つあり、1つ目は、常にアンテナを張る力だ。K-POPに関してアンテナを張っていなければ毎回のテーマを決定することが難しかった。日常生活のどこに新鮮なネタが転がっているか分からないということを実感し、これは、これからインターン業務とは関係がない分野においても生かせる学びだったと感じている。2つ目は、考えを言語化する力である。これまでもK-POPが大好きで、たくさんの曲を聞いたり情報に触れたりしていたが、その曲や歌手に魅力を感じていても、それを文章として表現する機会はなかった。しかしブログを執筆するにあたり、それらを読者に伝えるために、同じ表現を何度も使用せずに多様な語彙を用いることを工夫した。元々文章を書くことは好きだったが、語彙力と言語化力を成長させることが出来たと感じている。

 

B. YouTube動画制作

 

日本人インターンが週に1回投稿するYouTubeの動画編集に携わった。企画、撮影、効果音付けは別のインターン生が担当し、私は主に日本語字幕と英語字幕の作成、サムネイル作成、概要欄作成などを担当するという分業体制を取っていた。時には、撮影補助や動画出演も経験した。実際に制作に携わった動画は以下の通りだ。

 

23926日投稿「What’s in my bag! 練習生養成コースの鞄の中身は?」(撮影補助、編集、サムネイル)

231010日投稿「ACOPIAインターン生が語る!韓国留学のお金事情!」(出演、撮影、編集、サムネイル、概要欄)

231014日投稿「韓国留学生必見!留学生の持ち物図鑑!」(編集、サムネイル、概要欄)

231021日投稿「インターン生が伝授!おすすめの韓国語勉強法!」(編集、サムネイル、概要欄)

231028日投稿「【Vlog】韓国で踊ってきました!K-wave Dance festivalの舞台裏大公開」(編集、サムネイル)

23114日投稿「【リフォームしたての超最新!】韓国留学にオススメのコシウォンをご紹介!」(編集、概要欄)

231111日投稿「2023114Music Drama公演の裏側を大公開!」 (編集、概要欄)

231118日投稿「【街頭インタビュー】オススメのご飯は何ですか?韓国人オススメのお店を大公開(ホンデ編)(編集、概要欄)

 

 Adobeのプレミアムプロを使用して動画編集を行うのは今回が初めてだったため、前任者や同僚から方法を教わったり、インターネットで様々な操作のやり方を調べたりして、試行錯誤しながら進めていった。1本目の動画を制作した際には、動画内で話している内容をどの程度字幕に反映するのか、字幕の大きさや色、フォントはどれを選ぶのが適切なのか、日本語のセリフを英語に翻訳する際にどのようにしたら自然な表現になるのか、日本語では若者言葉で話している部分を、英語字幕でどのように表現するかなど、決まった設定がないことばかりで、共同作業者と常に相談しながら、自分達の型を確立していく作業が大変だった。

 練習生が出演する動画に撮影補助として携わったことがあったが、練習生たちが活発に会話出来るように雰囲気を盛り上げたり、指示を出したりと、カメラマンが撮影のみに集中できるような行動を心がけた。

 サムネイル作成にあたっては、出来るだけカラフルに明るい雰囲気に仕上げることを意識し、ある程度内容を予測できるヒントを入れるようにした。一度、動画の内容をサムネイルで公開しすぎてしまったことがあったため、以降はネタバレの加減に慎重に気を遣った。

 概要欄を作成する際には、動画の内容を要約するだけでなく、堅苦しい文体にならず動画の内容の楽しい雰囲気が伝わるような文章を書くことを心がけた。

 

私が動画制作を通して得た最大の学びは、タスクに優先順位をつけてスケジュールを管理することである。動画制作は2人での協力体制で行っていたため、1人の作業に遅れが生じればもう1人に影響が及ぶ状態の中、どの作業を確実の先に終わらせれば良いのか、時間的余裕のある際には、自分の担当部分ではなくとも出来ることがあるか、時間的余裕のない際には、どのタスクを他のインターン生に頼むかなど、毎週土曜日に動画を投稿するノルマを達成するために計画を立てて作業を進めていくことが重要だった。最初は毎週時間に追われていたが、次第に一連の流れに慣れ、時間的余裕を作れるようになったため、スケジュール管理の面で少し成長出来たのだと感じている。

C. オーディション情報更新

 

 ACOPIAのホームページに掲載されている芸能事務所のオーディション情報を更新する業務も担当した。具体的には、各芸能事務所の公式サイトにあるオーデションページにアクセスし、ACOPIAで記載している情報との齟齬がないかを確認し、修正事項をピックアップしていく作業を行った。私がインターンとして勤務し始めた9月は、ちょうど夏休みが終わった時期であり、多くの芸能事務所が夏休み限定で実施していたオーディションの開催期間が終了しているケースが多く見られたため、非常にたくさんある芸能事務所の全ての情報を詳細に確かめる必要があった。また、記載している情報は正しかったとしても、閲覧者がより見やすく情報を理解しやすくするために、書き方の修正点も提案するなどした。

各芸能事務所の公式サイトは基本的に韓国語で書かれており、細かい情報を見逃さないように注意を払った。オーディション情報が分かりにくく記載されていたり、サイトにオーディション情報自体が掲載されていなかったりする場合もあったが、他の検索語を用いて検索してみるなどの工夫をした。

 

この作業を通じて学んだ技術のようなものは特になかったが、韓国にはたくさんの芸能事務所が存在することを知り、各会社が才能のある人材を集めるために考えを凝らして広報を行っていることを知れたのは、興味深いことであった。

D. その他の業務

 

〇スタジオ清掃

:毎週火曜日と土曜日に、近隣にあるACOPIAのスタジオの清掃を行うが、私は火曜日に担当した。掃除機掛け、モップ掛け、ゴミ回収、備品補給などを行い、随時報告した。

 

〇事務所清掃

:午前勤務の際、退勤時間が近くなると、その日勤務しているインターン生全員で、事務所を清掃した。トイレ掃除、掃除機掛け、モップ掛け、ゴミ回収などを行った。

 

〇コシウォン準備

ACOPIAが運営する施設やコシウォンの清掃を、不定期で必要に応じて行った。一般的な清掃を行い、寝具の交換などを行った。

 

〇韓国語教室の案内

 

:韓国語の個人レッスンのためにACOPIA事務所にいらっしゃる先生方と生徒の皆様をご案内した。授業をするためのスペースを整えるなどした。

3.おわりに

インターン生として勤務した3か月間、初めて挑戦する業務内容を最初から上手くこなすことが出来なかったり、アイデアを出さなければならない場面で良い考えが浮かばなかったりといった困難を経験した。最初に志望していた業務以外を突然担うことになり困惑するなど、楽しいことばかりではなかったものの、ブログを執筆したり動画を編集したりといった新たな技術を身に付けられたのが、非常に貴重な経験であったことは間違いない。趣味や世代が似ていて楽しく話が出来るインターン仲間達に出会えたことも、インターンに応募して良かったと思える理由の1つだ。インターン生として習得した技術を生かせる機会に、この先どこかで巡り合うことを期待している。大きな満足感と達成感を感じながら、無事に任期を全う出来たことに安堵する気持ちでいっぱいだ。