インターン報告書
佐藤由美 (東京外国語大学4年 / 淑明女子大学交換留学中)
私は高校の時から韓国に興味を持ち始め、少し独学で韓国語の勉強をし始めてからどんどんと韓国についての興味が増していき、大学では韓国語を絶対に勉強したいと思い、韓国語専攻のある東京外国語大学に入学しました。大学では毎日韓国語の勉強をしていたものの韓国の文化について学ぶ時間の物足りなさを感じ、もっと韓国人がどのように学び、どのように考えているのかを知りたいと思い留学を決めました。
淑明女子大学では語学堂ではなく学部の授業をたくさんとることができ、私は日韓関係や韓国近代史などといった授業を実際に韓国人たちと受講しました。日韓間の歴史的問題を学ぶときなどは日本で教わったこととかなり違うことも多々あり、衝撃を受けました。実際に自分が韓国人として韓国で教育を受けていたら日本にいい印象を持てないだろうと思うこともたくさんありました。しかしそのように韓国人が教わる歴史を知ることによって韓国人がどのような考えを持ちえるのかということに少しでも近づけたのではないかとも思え、嬉しい気持ちもありました。
さらに韓国人と関わっていく機会が増えて思ったことは日本人よりも他国に関心を持っている人が多いということです。日本でもグローバル化とたくさん言われるようになったものの実際に自分から他国を知りたい、もっと関わりたい、と考え行動する人はとても少ないように思えていたので韓国人たちのそのような面にはとても感動しました。実際に周りには日本がとても好きだと言って日本についてもっと教えて欲しいなどと積極的に日本を知ろうとしてくれる人もたくさんいました。
一方、授業などで日韓関係間にある色々な問題を知れば知るほど漠然と日韓の関係に貢献できる人になりたいと思うもののなにをしていいか分からず何もできない自分がとてもじれったく、悩んでいました。そんな時にこのインターンを見つけ、始めることにしました。
インターンでは最初の頃はアジアワークキャンプを担当し、アジア地域の奉仕活動を探しそこに韓国人と日本人ボランティアを送り込む仕事や、韓国語教室での仕事を手伝わさせてもらいました。アジアワークキャンプの仕事では英語で書かれているサイトから奉仕活動を探し出すといった作業を中心にしていました。小さい頃にアメリカに暮らしていた経験があるので英語も積極的に使っていきたいと考えていた私にはとてもやりがいのある仕事でした。韓国語教室での仕事では主に宣伝や事務作業をしています。いつも講師さんと生徒さんでいっぱいの教室ですが、韓国人講師の方々がボランティアで教えていると知った時はとても驚きました。講師の数は想像よりもはるかに多く、こんなにも日本人に韓国語を教えたいと自ら募ってくれる人がいることにとても感動しました。
現在はK-POPキャンプを担当し、企画、宣伝からキャンプ当日の同行もしています。実際に自分で企画することは今までにしたことがなかったのでとても新鮮でした。キャンプ同行もスケジュールはあるものの当日どのようなルートで行き、どのようにキャンプに参加してくれている方々を楽しませられるかなどを試行錯誤する毎日で同行リーダーとしての責任を感じ不安になることもありましたが、参加してくれたみんなが楽しそうにし、最後に別れを惜しんでくれた時にはすごくやりがいを感じました。
たとえ小さな影響だとしても自分によって韓国をもっと知り、もっと好きになる人が増えることが私にとってのおおきなやりがいなのだと改めて感じました。今まで漠然としていた日韓関係に貢献するという夢が少しずつ具体的に、形になってきた気がします。
日本に対して偏見を持つ韓国人、また韓国に対して偏見を持つ日本人は両国を実際に理解し、知ろうとしてないためにそうなっているのだと留学に来て、いろんなことを学び痛感しました。完全に偏見を持つ人をなくすことはできないかもしれないけれど、少しでも自分が日韓のつながりを深めていく役に立てる人材になりたいという思いがインターンを始めさらに増しました。何もできずにただ思うだけで実際に何一つ行動に移せていなかった自分を変えてくれたこのアジアプラザひろば、社長や社員の皆さんそしてインターンの皆さんにとても感謝しています。日本に帰るまでの時間ここでのインターンを通じてさらにたくさんのことを学んでいきたいと思っています。2017年3月12日