日韓関係の改善のために日々働いています。


ソウル事務局にて
ソウル事務局にて

立命館アジア太平洋大学 

アジア太平洋学部

河野光汰


私は2013年10月16日から12月11日までコリアプラザひろばで紹介して頂いた天安市にある白石大学校にて約二ヶ月弱言語教師のインターンシップをさせて頂いた後、コリアプラザひろばの日本人スタッフとしてインターンシップを開始した。大学で主に北東アジアの国際関係を学んでいる私にとって、韓国社会の中で生活する事は複雑な対日感情を持つ韓国人を理解する上でも貴重な体験になると予想しており、また実体験で得た知識は卒業論文やその後の大学院入試等でも役に立つのではないか、というのが当初の渡韓を決意した大きな理由であった。その他大学でTESOL授業も受講しており言語教授法にも興味があった。

天安市の白石大学校では韓日社会文化フォーラム理事長である金賢廷先生のご指導の下、言語教師インターンシップをさせて頂いた。当初は日本語教師だけの予定であったが金先生に便宜を図って頂き併設する白石文化大学での英語教師インターンシップもさせて頂いた。 

私の韓国語能力がまだ低かったせいもあって学生に多大な迷惑をおかけしてしまい、常に申し訳ないという気持ちを抱えながら日々を過ごしていたのだが、その学生達の支えや金教授の手助けなどに支えられ一応全ての日程を終える事が出来た。白石大学校で過ごした約二ヶ月間は本当に忘れられない思い出となり、特に私の住んでいたコシテルのオーナーさんを初め多くの人の温かさに触れる事の出来た貴重な時間であった。

第5回日韓中高生フォーラムの出国前オリエンテーション
第5回日韓中高生フォーラムの出国前オリエンテーション

白石大学校でのインターンシップの中で特に忘れられない思い出となったのが白石大学校の日本語学部の学生達が行った日本文化と韓国文化を比較したプレゼンテーションに参加させて頂いたことである。学生達のプレゼンテーションを通じて私も新たな発見や気付きを得る事が出来た。

白石大学日本語学部の学生の皆様、白石文化大学英語学部の学生の皆様、私に様々な機会を与えて下さった白石大学、白石文化大学教授の皆様、そして金賢廷先生、本当に有難うございました。この場を借りてお礼申し上げます。

大学が冬休み期間に入ると同時に天安から韓国最大の都市であるソウルに移動し、今度はコリアプラザひろばでインターンシップをさせて頂けることになった。私の主な仕事は日本人、韓国人学生を諸外国へ送るための関係作りの構築から始まった。

現在までは主に日本と韓国内だけでのみ活動を行ってきたがこれからは日本人と韓国人学生が世界各国で共に力を合わせ、活動を通じて良好な関係を構築し日韓関係に発展に寄与する、という話を聞いた時私はとても胸を打たれた。文化交流活動や共同作業は日韓関係の過去の不幸な歴史から起因する複雑な現在の関係を若者が人道的な方法で打開する一つの要素として必要な事である。

第1回日韓次世代未来フォーラムの前夜祭
第1回日韓次世代未来フォーラムの前夜祭
韓国人スタッフと協働
韓国人スタッフと協働

事務所での勤務を通じたコリアプラザひろば社長とのお話等を通じて日韓関係や韓国社会について考える機会を得られた事によって二国間問題を考えるの当たって必要な広い視点で問題を考察する重要性を知る事が出来た。

そういった学術的な事を学ぶ一方で、仕事を通じて他団体との交渉術や事業の新規開拓など、働く事でしか得られない事も多く学ぶ事が出来た。私自身大学の授業などでの討論やミーティングなどでの経験はあっても実務の中でタイやベトナム、米国、フランスの団体などとの交渉などは初めての経験であり当初は少し戸惑うこともあったが事務局長から助けて頂いたこともあり、今では自分で何が必要で何をいつまでにしなくてはいけないのか、といったような時間管理能力や業務遂行能力も学ぶ事が出来た。

第2回韓日未来フォーラム委員長(笹山氏)と会食(2014年7月30日)
第2回韓日未来フォーラム委員長(笹山氏)と会食(2014年7月30日)

そしてコリアプラザひろばでも日々の業務を通じて人間の温かみを感じる事や同僚の韓国人、日本人スタッフとの協力などから学ぶ事も多々あり、良い経験をさせて頂いた。

三月からは韓国の大学での学生生活も始まり毎日学習に追われながら並行して事務所で

働かせて頂いた。学生生活と事務所での勤務を並行して生活を送るのは少し忙しい日々ではあったが自分にとって為になるものであったので苦に思うことなく取り組む事が出来た。

その間に主に取り組んでいた事は日韓の大学生が協同で集まり来年50周年を迎える日韓関係において国民間の相互理解を促進する方法について意見交換をする場として「韓日未来フォーラム」を運営した事である。

 

第1回韓日未来フォーラムの委員長
第1回韓日未来フォーラムの委員長

韓日未来フォーラムを運営するに当たって委員会を構成する委員の選定から始まり運営資金の確保、宣伝広告の作成、来賓の招待、参加者の募集等様々な仕事がありそれぞれの仕事を通じて様々な新しい経験を積むことも出来、尚且つ自分自身への課題を発見する事も多々あった。

韓日未来フォーラムは紆余曲折を経て最終的には成功で終わる事が出来た。合計4回の事前ミーティングと本番の1回を通して学んだ事は人を引き付ける話を提供したり魅力的なトピックを編み出すには自分が思うよりも熟考を重ねる必要があるという事だった。何事も準備不足では上手くいかないし、時間を割いてきてくれた参加者や委員、スタッフとして一緒に活動をしてくれた方々にとっても失礼な事となってしまうと実感した。フォーラム組織、運営を通じて経験した成功も失敗も味わった事全てを糧としてこれから生活していきたいと思う。

第1回韓日未来フォーラムを終えて
第1回韓日未来フォーラムを終えて

日本の大学に復学する必要があるため今夏でインターンシップも終了となるが、ここで働く中で出会った人や学んだ事は生涯忘れない財産になると思う。日本の大学を卒業後は研究者を目指し韓国の大学院で学ぶつもりである。約1年間の韓国滞在で学んだ事をこれからの人生で広く活かし私の様に何かを掴む機会を求めている人達へ広く伝えていくと同時にまた韓国へ戻り目標を達成出来る様にやっていきたい。

「日韓青少年奉仕体験8日間 in 島根」を終えてきた韓国の中高生たちの帰国発表会(2014年8月9日、ソウル駅会議室)
「日韓青少年奉仕体験8日間 in 島根」を終えてきた韓国の中高生たちの帰国発表会(2014年8月9日、ソウル駅会議室)