姫野佳奈 (ソウル大学)
私がACOPIAでのインターン参加を決意した大きな理由は、ACOPIAが日韓の相互理解の推進という活動理念を軸に活動を行っているからでした。在日韓国人の司法修習生採用問題やサハリン残留韓国人の帰還訴訟に弁護士として携わった祖父の影響で、私は韓国を身近に感じており、好意的に捉えてきました。しかし、現時点で日韓関係の状況は決して良いとは言えません。昨日も韓国では大多数が日韓関係の改善のために努力をする必要性を感じているという内容の新聞の記事を読みました。実際に私もこの3か月の留学生活の中で日韓の相互理解の必要性を感じたことが何度もありました。
たとえば、韓国に行って自分の想像以上に日本に対して友好的な方が多いことに気づいた時。日本のメディアの影響で、日本を嫌う韓国人も多いと考えていました。しかしながら、韓国では日本に対して友好的である人々が本当に沢山いました。日本から来たというとみんな日本語で話しかけてくれようとするのです。逆のパターンもありました。韓国でできた友人から、日本人の多くは韓国人が嫌いだと思っていたと言われたのです。いま日本では絶賛韓国ブームなんだだよというととても驚いていました。このような時は、もっとお互いの国のことを知れば、もっと関係性は良くなるのになと感じました。日韓の相互理解がもっと深まってほしい。祖父のように日韓関係の良い影響を与える仕事がしてみたい。そう考えていた時に出会ったのがACOPIAでした。
ACOPIAでは、日本歴史ツアープロジェクトの代表を務めています。代表と言ってもこの企画を担当している人は私だけです。このツアーでは韓国の人々を長崎の歴史的名所である隠れキリシタンの聖地や温泉地などにお連れすること、そして現地で日韓交流会を開催するという日韓相互理解のためのツアーです。ワンマンで、企画から予算そして現地団体への連絡や貸し切りバスの予約まですべてを行うのは、正直大変ですし、重責を感じます。しかし、言い換えればすべて私に決定権があるので、自由に自分がしたいように仕事を進めることができるのです。実際に、より充実した旅行行程を作成するために、工程を現在までで大きく3回変更するなど大胆かつ柔軟に業務を進めることができました。また、広報が上手くいかず、集客が思うように達成できなかった時にも、代表のお知り合いの牧師の方に直接会いに行き、交渉し、集客を手伝っていただけることになるなど柔軟な対応をとることができました。代表が私たちインターンに行ってくださった言葉の中でとても印象的だったのは、「とにかく挑戦することが大切だ。失敗してなんぼだ。責任を取らなくてもいいのだから、ここではとにかく思いっきり挑戦してほしい。」という言葉です。社会に出て仕事をする時には、責任が付きまとい、失敗したときにはもちろん責任を取らなければいけないため、思いっきりチャレンジをすることが怖くなってしまうと思います。しかし、ここACOPIAでは、任された仕事に対して責任や失敗を恐れず、しがらみもなく、自由に挑戦的に取り組むことができます。社会に出る前に、このような経験ができるということはすごく有難く貴重なことであると思います。残りの2か月間も、挑戦的かつ意欲的に仕事に取り組みたいと思います。