ひろばという架け橋

                                                                                      獨協大学卒業 長谷川さおり

 

 こんにちは。ひろばラウンジでインターンをさせて頂いた長谷川さおりと申します。私は日本で大学を卒業した後、日韓通訳翻訳士になりたいという夢を胸に3年間韓国で過ごしてきました。大学院の合格が決まりやっとひと段落ついた頃、気持ちに余裕の出てきた私はこれからの未来やなりたい自分像について考えるようになりました。大学生の頃初めて授業を聞いて虜になった韓国語。漠然と今まで抱き続けてきた誰かの役に立ちたい、日韓の架け橋になりたいという思い。しかし考えれば考えるほど具体的に日韓の架け橋になるとは何なのか、どんな形で活動するのが架け橋なのかという疑問に毎回ぶち当たってしまいます。韓国と日本を繋ぐ架け橋のかたちは当然ひとつではありません。幾つもある選択肢のうち自分が出来る事、したい事を見つけるのは非常に難しい事です。日韓通訳翻訳士という夢があっても今すぐ架け橋として動くのは容易なことではありません。久しぶりに自分自身と向き合い考えてみた結果、今すぐ自分がすべきことは長い間韓国で過ごしてきた経験を生かし、誰かを手助けすること。迷うよりまずは行動し小さなことでもなりたい自分に近づいてみることだという結論に至りました。これが私がひろばでインターンをしようと思った始めのきっかけです。今まで進学して夢を叶えることだけに精一杯だった私ですが、ようやく日韓の架け橋になりたいという原点を振り返る機会を得る事ができました。

ひろばで勤務し始めた頃は失敗もたくさんしました。韓国語には自信があったのに電話対応等自分の実力不足を感じる時もありました。言葉だけでなく、人と人を結ぶということがどれだけ難しい仕事なのか実感しました。たまに失敗し悩むこともありましたが振り返ってみると本当にやりがいのある仕事だったと思います。利用者の方からありがとうと言われるのが嬉しくて、時には何時間も相談を聞いたこともありました。自分が初めて韓国に来たときのことを思い出すと仕事という枠を超え何か力になってあげたいという気持ちが沸いてきました。架け橋は、何か大それた事をするのではなく、自分の出来る事を全力で取り組んでも十分になれるという事をインターンを通して学ぶ事が出来ました。無償で韓国語を学ぶ機会と、生活面でのサポートを行ってくれるという団体は他を探してもほとんどありません。ひろばを利用する側も働く側も、かけがえのない思い出をきいとお作れると思います。もっと早く、私も知っていれば利用したのに残念です^^;短い期間でしたがひろばで初心を思い出し、なりたい自分への一歩を踏み出すことが出来たことにとても感謝しています。これからも韓国で暮らしますが今回感じた気持ちを忘れずに過ごしていきたいです。